大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)3610 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論は、第一審判決の事実誤認、量刑不当等の主張と解されるから、明らかに、

刑訴四〇五条の上告理由と認め難いし、また、記録を精査しても、同四一一条を適

用すべきものとも認められない。

弁護人高橋喜一の上告趣意について。

所論は、第一審判決は、判例違反であると主張するが、その実質は、被告人には

告知義務がないにかかわらず判示第三の事実として不作為の欺罔行為による詐欺罪

の成立を認めたのは失当であるというに帰する。しかし第一審判決の確定した事実

は、被告人は所持金がなく、確実に宿泊料金等の支払をし得る見込がないのに通常

の旅客の風を装つて判示第三のごとく申し向けてAをして判示のごとく誤信させて

判示のごとく財産上不法の利益を得たというのである。されば、第一審判決は所論

のごとく不作為の欺罔行為による詐欺罪を認めたものでないから、所論は判示に副

わない独自の見解であつて、第二審判決に対する適法な上告理由を定めた刑訴四〇

五条各号のどれにも明らかに該当しない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条に従い、裁判官全員一致の意

見で主文のとおり決定する。

昭和二七年一月一〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

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裁判官 真 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

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